第16章 黎明【キッド】
キッド
「なんだこいつ」
家、といってもスラムだからガラクタの山みたいだが、その前に人間が
しかも女が倒れていた
「うぅ…」
後で金でも巻き上げよう
そう考えて貧しい中で彼は彼女の保護をした
汗を布切れで拭ってやって、唸る姿をあやすように声をかけていた
そして、食事を得て食べていると、ムクリと女は起き上がった
黒髪は艶を少しだが失い、濁った赤い目
薄汚れているものの白い肌
キッドは危ないと直感的にそう思った
容姿が綺麗であれば売られる事もシバシバ
そんな治安の悪いスラム
キッド
「テメェ、名前なんだ」
「」
彼女はそう名乗った