第2章 台風【クロコダイル】
外に出たくねぇ
雨は嫌いだ
昔から濡れる事を極度に嫌った
そんな俺の僅かで珍しい休日が激突した台風のお陰で何もする気が起きなくなった
「いつもの威勢はどこ行っちゃったの」
心配そうに俺を覗く
といっても俺にのしかかったままだが
まるでこいつは雨を拒まねぇ
寧ろ水を得た魚だ
楽しそうに外へ出る
まるで反対な俺達は世に言う恋人何てものにもなっているが、理由は不明
いや、明確には俺が好きだと言ったのを快く承諾されたことから始まる
しかしそれが何故なのか
俺には知る余地もなかった
「クロコダイル、大丈夫?」
流石に台風は外には出ずに大人しくしているようだが、それにしたって元気だ
気が知れず返事もろくにせず遠くを見たままの俺をソイツはやんやかんやと煩く、挙げ句にはしょぼくれてへこたれてやがる
撫でれば嬉しそうにふにゃりと柔らかく笑う顔
たまに雨でこんないいものが見れるのならと思ってふと気付く
俺は大分重症らしい