第10章 ☆Story28☆ 世界を目指して…
憲吾side
ゆりとのやりとりをする前のこと、
憲吾は自宅に着き少しゆっくり部屋で過ごした。そして花火大会の際に
ゆりから貰った貝殻で作ったペンダントを棚から手に取った。
「あれからもう2ヶ月以上は経つのか……早いもんだな……」
しばらくペンダントを見ると元の場所に戻し再び腰かけた。
そしてスマホを取り出し、先ほど撮った流星群の写真を
メッセージと共にゆりに送ることにした。
【さっき撮った写真
流星群が流れていたから撮ってみた。
そっちのほうはどうだった?】
こんな些細なことを送るなんて、正直らしくねぇと思ってる……
でも、ゆりにもさっきの流星群や星空は見てもらいたいと思った。
しばらくして、ゆりから早速返信が届く。
【こんばんは!】
【流星群の写真綺麗ですね!】
【生憎ソウルの夜空はあまり星ないです…】
【そうか
やっぱり日本と海外じゃ空も微妙に違うんだな】
少し残念と思うのと同時に、
ゆりにちょっとしたお土産を渡せたような気がした憲吾だった。
そしてメッセージのやり取りは続き……
【そういえば、
今日は退院する日だったよね?】
【無事退院できた?】
【あぁ】
【吾郎や後輩がわざわざ復帰祝いしてくれた】
【良かったね憲吾!】
【無事退院おめでとう!】
【ありがとう】
【俺らも今日お前らの配信見てた
凄いかっこ良かったと思う】
昨日もそうだが、ここ数日のゆりはかっこいいと思う。
真っ直ぐ夢に向かっていくことが……俺がゆりと同じくらいの時は、
班田と連んで喧嘩に明け暮れていたほどだ。
だからこそ尊敬するくらいアイツは凄い奴だと思う。
「ホント……何で俺なんだよ……」
ゆりが俺を好きになってくれたことは、
やはりまだ何でなのかと言う気持ちがある……。
でもゆりは俺を好きになってくれて……俺もゆりのことが好きだ。
最近になって、本当に好きだと思うようになった……。
【ありがとう憲吾!
そう言ってもらえて凄く嬉しいよ!】
【ねぇ憲吾】
【なんだ?】
「急に何だろ……でも、」
でも、ゆりの声を聞きたい……
色々と疲れているかもしれないけど、アイツの声が……。