第22章 ☆憲吾ルート☆ Happy END前編
ゆりがいろんな葛藤を抱えてる中、
憲吾はゆりのことを考えながらも練習に集中していた。
「憲吾、あれからすげぇ集中力だな……」
(ゆりちゃんのこと、考えないようにしてんのかな……)
吾郎は部室の椅子に座りタオルで汗を拭きながら
ミット打ちをしている憲吾を見上げた。
「あぁ、ゆりだって世界に向けて頑張ってんだ。
俺も負けてられねぇだろ……」
「ま……そうだけどよ……憲吾、大丈夫か?」
「何が、」
「……ゆりちゃんのこと、」
「っ……」
吾郎がゆりの名前を出した途端、憲吾は顔色を変えた。
「お前の集中力、すげぇよ……実力だって確実に上がってる。
けど……」
「……けど、何だよ……」
「なんか……何かが足りない気がすんだよ……競技に向ける熱意っていうか……」
「何が言いたい……」
「……ただ強くなる、それだけしか見えてない気がすんだよ今のお前……」
「っ!」
「……。」
吾郎side
ゆりちゃんから憲吾に別れ話をして
一度距離を置いてることになったのは憲吾から直接聞いた。
それは憲吾が事務所に行った翌日のことだった。
最初は全然信じられなかった……でも憲吾はそれで納得してる……いや、
無理矢理納得してまだ少し納得していないようにも感じた……。
それから憲吾はひたすら部活、自主練と共にボクシングに集中した。
それ自体は良い事だが俺にはゆりちゃんを忘れようと
がむしゃらにやってるようにしか見えなかった……
2人の間に何があったとか、俺は深いところまで知らない。
いつ変わったかと言えばゆりちゃん達が帰国した後だ……。
その辺りから2人の関係に何かしら変化が起きたのは間違いないが
その原因が何なのか俺には知る由もない……。
一体、2人の間に何が起きてんだよ……
北京でのゆりちゃんのライブは本当に凄かった。
MissYouで見せた憲吾への情熱、憲吾も想いが通じ合ったって言ってた。
それくらい、2人の絆は確かなはずなのに
何で今2人はこんなに距離ができてしまったのか全くわからない。
原因は恐らくゆりちゃん側だと思うけど、
俺みたいな一般人には何もわからない。
親友を助けられないのが、凄く悔しい……。