第61章 ドクトル・ホグバックの屋敷
ちょっと問題はあったものの、ちゃんと体は清められた。私達はさっきまでもてなされていた大広間へと移動した……が、そこには誰もいない。誰もいないどころか部屋は何故か真っ暗になっている。
「で…何で真っ暗なんだ?」
「ここ、さっきの部屋よね?」
「ここって暗いとこんなに怖いんだ…」
「ド…ドクトル〜〜!!どこ行ったんだ〜!?」
「シ…シンドリーちゃーん?お風呂いただきましたーー…」
私達の呼びかけにも応答がない。客人がお風呂入ってる間に普通移動するか?この建物の構造わかってないってのに…それか本当に大事な用ができてどこかに移動したとか?
「お二人はもうお休みになられましたでし…!!」
「ぎゃあ!!ヒルドン!!!」
電気がいきなりついたかと思ったら、シャンデリアにぶら下がってるヒルドンを見つけた。普通に話しかけてこいよ。
「てめー…!!さっきはよくも墓場に置き去りにしやがったな!!!」
「面目ないでし。馬達と共に用を足しに行き、目を離したスキに。」
「ウソばっかり!!あんた達、島中のどいつもこいつもグルなんでしょ!?」
「そんな人聞きの悪い事を言わずに…こちらへどうぞ、寝室へご案内致しまし…」
ヒルドンが示した場所は2階へ続く通路。ヒルドンはお墓で私達を置いていった人だ。もう私達の信頼はないと思ったほうがいいよ。