第52章 決闘
「“衝撃(インパクト)”!!!!」
「“衝撃貝(インパクトダイアル)”………!!」
「うあああっ!!!…………………!!!ハァ…どうだ畜生ォオオ!!!」
顔面にインパクトを放たれてルフィは倒れる…いや、足をついて踏ん張った。インパクトをやられても立てるなんて…我が船長ながら凄いと思ってしまった。
「“ゴムゴムの銃弾(ブレット)”!!!!」
「ウソップーーーー!!!」
勝負あり。そう思った。ただえさえこんなに傷だらけなんだ、もうこれ以上動くことはできないだろう。ウソップが倒れていくのがスローモーションに見える。
「勝負あったな。」
「………ハァ…バカ野郎…!!お前がおれに!!!勝てるわけねェだろうが!!!!」
ルフィの叫びが突き刺さる。嫌だな…この感覚。心がザワザワしてて、体が冷えていくこの感じ。倒れて動かないウソップを見て、体が固まる。前の島まではあんなに楽しそうにみんなで笑ってたのに。
「いやだ………もう……!!」
「…………メリー号はお前の好きにしろよ。新しい船を手に入れて…この先の海へ、おれ達は進む!!!」
ナミの言うとおり、私だってこんなのは嫌だ。だけどこれがルフィとウソップが選んだ結末なんだ。もう私達は仲間だなんて言い合えるような仲じゃないんだろう。まだ、まだ私は…ウソップと仲間でいたかったのに。
「じゃあな………ウソップ。今まで…楽しかった。」
「ウソップ〜〜〜〜!!!」
「おいっ!!行くなチョッパー!!!」
走馬灯のように楽しかった思い出がふつふつと出てきて、もう楽しかった思い出として頭に出てくるのが悲しい。そんなことを思ってると、ずっと我慢して見てたチョッパーが飛び出そうとした。それをサンジが間一髪で止める。
「……………!!何でだよ!!!ただえさえボロボロの体なのに、あんな目にあって…!!」
「ケンカや試合(ゲーム)じゃねェんだ!!!」
「だから何だ!!!おれは医者だ!!!治療くらいさせろォ!!!」
人型になってサンジに抵抗をするチョッパー。でもこの状況だったらなんとなく分かる。今のウソップに助けを出しちゃだめだってことくらい。