第4章 山火事
「あ、ええと…じゃあルフィが海賊になる時にもう一回誘って?そしたら、ルフィの船に乗るよ…」
「おう、分かった!!」
「「ちくしょーう!!!」」
「……まあ、将来のことは将来決めよう。」
「もしかしたら3人バラバラの船出にやるかもな!」
「あ!ダダンの酒盗んできたな!?」
私がエースに渡したお酒を私達の真ん中に置いた。
「お前ら知ってるか?盃を交わすと“兄弟”になれるんだ。」
「兄弟〜!?ホントかよー!」
嬉しそうに笑うルフィ。よかったねルフィ、兄弟できるんだね。ニコニコと盃を持つルフィを見てると
「何やってるんだ、お前も持つんだよ。」
「え?」
エースからズイッ、と盃を1つ渡された。え?え?と戸惑ってるとエースは
「なんだよ、おれ達と兄弟になるのが嫌なのかよ?」
と不機嫌そうにそう言った。いえいえ滅相もない!恐れ多くて……そんなこと思ってないけど、でもその中に私も入れてくれるなんて、嬉しいな。ありがと、と言ってエースから盃を受け取る。
「海賊になる時同じ船の仲間にはなれねぇかも知れねぇけど、おれ達4人の絆は“兄弟”としてつなぐ!どこで何をやろうとこの絆は切れねぇ…!!これでおれ達は今日から兄弟だ!!」
「「おう!!!」」
私を含めて4人は、しっかりと兄弟盃を交した。それからというもの、狩りにはでれないものの家での会話や兄弟としての心遣いなどが変わって、本物のお兄ちゃんみたいに接してくれた。変わったのはエースだ。前よりも思いやりと優しさを覚えたらしく、まだちょっと意地悪だけどいいお兄ちゃんに育ってる。しばらくしてからマキノさんが遊びに来てくれたり、ダダンの家から少し離れたところで4人で暮らしたりと色々進展があった。のに、盃を交わしてからどのぐらいだったか徐々に日常が壊れていくのを感じた
その日は確か私がいつものように秘密基地からダダンの家に手伝いをしに行ってて…そしてよるご飯の時に帰った時、サボがいなかった。わけを聞くと貴族の家に戻ったのだとエースがつっけんどんに言った。聞いた時はショックで頭が何かで叩かれたような感覚がしたが、それから数日立っていくにつれサボがいない夜が当たり前になってきた。
「サボ…どうしてるかな…」
「……うるせぇ寝ろ!サボのことは一旦忘れる約束だろ。これがあいつの幸せかも知れねぇんだ……」
「………」
