第1章 プロローグ
帰宅して理事長のジョゼフさんに連絡を入れる。
プルルルルルル
「はい!」
『ジョゼフだ。連絡見てサークルの一覧用意したから明日理事長室に取りに来てれるかい?』
「はい!分かりました!」
『それじゃ、お嬢さん。また君に会えるのを楽しみにしてる。』
(さらっとそんな事を言う~大人の余裕ですか!!!)
ジョゼフさんは紳士的なのだが、たまに吐く台詞に慣れなさすぎて心臓が持たない。
とりあえず明日理事長室に寄ろう。
------
『おはよう、お嬢さん。』
「ジョゼフさんおはようございます。サークルの資料取りに来ました。」
『あぁ、用意してあるよ。1限目は授業無いのだろう?』
「はい、2限目からです。」
『それだったら理事長室でゆっくりしてくといい。』
「え、でもお仕事の邪魔になりませんか?」
『構わないよ。可愛いお嬢さんがいると仕事も捗るからね。』
と言われ、1限目を理事長室で過ごすことになってしまった。
黙々と仕事をするジョゼフさんはやはり綺麗だった。
トントン
理事長室の扉をノックする音がした。
『入るといい。』
『失礼します。』
入ってきたのは独特な雰囲気を持つ短髪の男の人。
美しい目はジョゼフさんと同じなのだが、この男の人の目は何処か違う。目の奥に何かあると感じるくらい澄んでいる。
『イライか。頼んでおいた仕事を終わらせたのか?』
『はい。仕事は終わりました。これが資料です。』
『ありがとう。お嬢さん、彼は生徒会長のイライ・クラーク君だ。』
「宜しくお願いします。最近転入してきたばかりのツキ愛染です。」
『ああ、君が愛染さんか。話は聞いてるよ。よろしくね。』
『イライ、ありがとう。助かったよ。』
『いえいえなんでも言って下さい。では失礼します。ツキさんもまたね?』
そう言ってイライさんは去っていった。
この2日間でANEW組全員に会ったが4人とも人気が出るであろう雰囲気の人ばかりだった。
2限目が始まるのでジョゼフさんに挨拶をしトレイシーと作業服に着替え教室に向かう。
『2限目の作業は鉱物専門の人もいるんだよね。』
「え、そうなの?鉱物専門と言ったら、」
『ノートンでしょ?いるよノートン。同じ班だったら嫌だけどね笑』
「何で嫌なの?」