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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第7章 意思



何処に向かうのか分からないが、樹戸の車で探偵社を離れた。


は助手席に乗らされた。


先程から無言で、それがやけに怖いと感じる。


怖くて窓から外の景色を見ることしか出来なかった。


流石に沈黙に耐えられなかったが声を出す。


『…お母さんは帰って来ているの?』


「いや、帰って来てないよ」


が横浜に行く一年前程に、母は仕事で出張すると話していた。


『…1度も?』


「ああ」


そこで会話は途切れた。


また、外を見ていると遠くからあの2人がいた。


思わず声が出そうになった。は身を乗り出して、窓に顔を近づけた。


「知っている人がいたのかい?」


いつの間にか、車は停車していた。


『…探偵社の人』


その姿は敦と鏡花だった。


「好きな人?」


その言葉で恵美は反応した。


「図星か」


樹戸は助手席側の窓を見た。


「どの子?」


『えっ、と…銀髪の人…』


「着物の子と一緒の?」


こくりと頷いた。


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