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魔界皇子と魅惑のナイトメア

第4章 教え


なかなかこない文字に不安を覚える。記録の文字を見ながらそわそわし始めた。そして、フォンっという音と共に文字が届いた。

織田長信
ラインで言われてもねえ……

織田秀信
まさかそんな。その魔界とやらに来る前の状況を教えていただけますか?

織田長信
お、おい秀信?

天月
ああ……それがある女性を助けようとしたら、急に眠たくなって。気づいたら魔界の世にいた。完全に巻き込まれ事故

織田長信
えー、嘘だろ?

織田秀信
月の色は、あなたが目についた月の色は何色ですか!

織田長信
えーっ!?

天月
……たしか、赤だったかな。

織田秀信
…………そうですか、わかりました。

何か当てがあるのだろうか。
ラインを一旦終えてスマホをポケットの中にしまう。

不安である。この不安を払拭するあては全くない。戻る為にどうすればいいかもわからない。この世界に来ることになった引き金は葵だ。しかし、葵に全てを託すわけにはいかない。自分にはゆっくりしている時間はないのだ。彼女の微々たる可能性に頼る余裕や、信用に値するものもなにもなく、覚悟も当然持ち合わせてはいないのだ。

「…………」

今やもう動かないスマホを握ることしかできない自分に苛立つ。

「ああ……」

力ない溜息が口から付いてでる。

「あ、やべっ!」

次の授業のことを思い出し歩き出す。もう彼女の顔には憂いの表情はなく。いつものようなぶっきらぼうの表情のまま早足で歩く。もう周りには生徒たちはおらず、これは遅刻コースだなと半笑いになる。
先生には本当に申し訳ないと思いながら、遅刻した言い訳を考えるのであった。

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