【名探偵コナン】トリプルフェイスの幼馴染は最強?【BL】
第8章 番外編・願望【降谷編】
熟睡しているのを起こさないように布団の中へと入るとほんのりと暖かさを感じて自然と頬が緩み、その温もりを今だけは自分が独り占めできる喜びに浸って静かに眠りにつき、どれぐらい眠っていたのかふと瞼を開けるとトイレに行っていたのか今まさに布団に入りなおしてきた悠の姿が見え、そんな俺に気付いたようでまだ眠そうな目だが柔らかい笑みを向けてきた幼馴染に胸がキュッと苦しくなる。
『悪い、起こしたか?』
「ん…いや、大丈夫」
『それならいいんだが。…零、もっとこっち来いよ』
「うん……って、悠…?」
キングサイズなので男が二人寝てもまだ余裕があり、普段お互いにピタリと引っ付いて寝ることは当然あるわけもないので多少の隙間があっても別段おかしなことではない。
にもかかわらず、目の前の男は今まさに腕枕をしてやると言わんばかりの体勢をとっていて俺の思考が追いつかない。
「え……い、いや…何で腕枕?」
『?何でって、いつもしてるだろ?』
「…………いやいや、はあ?いつもって…それ、誰の事を言ってるんだ…」
『誰って、お前以外いないだろ。付き合ってんだし』
「………え……つ、付き合ってるって…俺と、悠…が?」
『おいおい、寝惚けてるのか?…ほら、この間も…こうやって…』
「え、ちょ…ッ!!?」
突然の腕枕に訳が分からなくなり困惑しながらいつもやっているとの言葉にまさか彼女でもできたのかと心がスッと冷えていくのを感じたのだが、続く付き合っていると言われたことにはさすがに驚きを隠せず、いつ自分と彼が付き合うことになったのか……まだ告白もしてないぞ!
そんなパニック状態の俺を無視して半ば強引に身体を引き寄せられ近づく距離に顔が赤くなっていくのがわかる。
『…ん……この前もこうして沢山触れ合っただろ。…それも覚えてねえの?』
「っ、んッ!?……っっ!!」
『……零……口、開けろよ…』
「っ……悠…ッ…んぅ!!」
色々なことが一気に起こりすぎて何が何だかサッパリ分からぬまま、今まで見たことのない甘くもどこか欲を滲ませた表情をする彼にもはや何も考えられなくなってしまい、促されるままに口をそっと開けば口内へと滑り込んでくる舌に背筋がゾクゾクと震えた。