第36章 子の心親知らず
わたしは思わず身じろぐも、
「あ……」
サヘルくんは嬉しそうに鼻をひくつかせた。
鼻先をすんすんと動かして、法悦する。
「ママ、いい匂いする……」
わたしは照れ臭くなりながらも、サヘルくんの思うがままに嗅がせてあげる。
サヘルくんを優しく抱きすくめると、胸の中で大きく深呼吸して、また鼻を鳴らし始める。
「んっ……本当に、サヘルくんはわたしの匂いを嗅ぐのが好きですね……」
「う、ん……ママの匂い嗅ぐの、大好き……ママも、すき……」
サヘルくんは両腿を狭め、膝を擦り合わせる。
徐々にサヘルくんの息が荒くなっていき、わたしのお腹に熱いものが当たる。