第15章 〜再会〜
自分の事をずっと心配し、看病をしてくれて
いたのかと思うと、迷惑をかけてしまったかも
知れないと思いながら、それでも
自分だけに向けられた家康の優しさに
心が満たされて、嬉しさがこみ上げてくる。
(ありがとうございました・・・)
と心で呟いていた。
繋がれた手は、解けそうにないくらい
しっかりと掴まれていて身動きが
取りづらかったが桜奈は
自分の身体を家康の方にそっと向け
スヤスヤと眠る家康を愛おしそうに
見つめ、穏やかな笑みを浮かべた。
こんなにまじまじと家康を見つめた
事がこれまであっただろうか?
出会ってすぐは、ただただ恥ずかしく
目を合わせることも容易ではなかった人。
今だってドキドキしないわけではない。
でも、今はそれ以上に愛しさが勝った。
眠っていることをいいことに今すぐでも
ぎゅーっと抱きしめたくなってくる。
そんな、大胆なことをできるはずもない桜奈。
せめて、フワフワの猫っ毛に触れるくらいなら
許してもらえそうな気がして反対側の手を伸ばし
そっと家康の髪に触れた。
思った通り、柔らかくてフワフワだった。
(ふふっ、フワフワしてて、柔らかい
睫毛もこんなに長い人だったんだ・・・
私より、長いんじゃない?
なんか、羨ましいかも。
思えば、3秒以上直視なんてしたこと
なかったかも。私の好きになった人は
見れば見るほどイケメンさんなんだね・・
カッコいいなぁ・・)