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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第21章 色気の欠片もないのだよ






「・・・おもっ」



磯の香りに包まれ目を覚ますと、下腹部に重みを感じた。昨晩枕元に置いたメガネをかけないことには、状況が分からずすぐ様それをかける。


するとあろうことか左隣に寝る高尾の右足と、右隣に寝る花子の左足がオレの上に乗っていた。


やれやれ、揃いも揃って酷い寝相だな。
2人の足たちをそーっと戻し、お腹を出して寝ている花子に限っては布団をかけ直した。


それにしたって昨晩は大変だった。
花子が寝たあとすぐに高尾も追いかけるように寝たが、そのいびきがうるさくてうるさくて全く眠りにつけなかったのだ。


海辺でも走ろうか、そう思ったが予想以上に疲労していてとてもそんな気分にもなれず。


いびきのうるさい高尾に背中を向けると、今度は目の前に気持ち良さそうに眠る花子がいる。手を伸ばせば届く距離に無防備な姿で好きな女が寝ているとなれば、もちろん変な気分にもなる訳で・・・。


とんだ、生殺しだ。
結局2人が寝てから1時間1人でこの悶々としていた気持ちと格闘していたのだ。


しかしこれだけ最悪な一晩を送ったはずなのに、朝起きて隣にスヤスヤと眠る花子がいる。それだけで今日の辛い合宿も乗り越えられそうなほど今のオレは幸福に包まれているのだ。


こうして辛い辛い合宿2日目が始まろうとしていた。
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