第14章 興味ないのだよ
花子の機嫌は朝からうっとおしい程に良かった。
そんなに赤司と会うのが楽しみなのか、こっちはちっとも面白くないというのに。
本音を言えば会って欲しくはない。
しかしそんなことを口にしてしまえば、オレはとっても小さな男になってしまう。そんなのはまっぴらごめんだ。
それでも心配なことが、1つ。
今日会う赤司が、もう1人の赤司だった場合を想像すると少し危険なのではと思ってしまうのだ。
『大丈夫、赤司は赤司でしょ?』
なんてコイツはオレが心配しているとも知らず笑っている。
授業か全部終わり花子は足早に帰り支度をしている。止めるなら、今しかない。そう思い立ち上がった花子の腕を掴む。
『どうした?』
オレに向かって微笑む花子。
「・・・・・。」
『赤司待たせてるから、行くよ?』
「・・・・・。」
オレは行くなの一言が言えなかった。
背中を向ける花子にもう一度オレは声をかけた。
「何かあったら連絡してこい!」
花子はその後廊下にいた高尾と会話を交わし、走って行った。
「まじで1人で行かせていーのかよ?」
「あぁ。」
そうだ、オレたちは赤司を含めてただの幼なじみだ。心配するようなことはきっと何も起きない。
「真ちゃん、体育館行こーぜ!」
調整日のはずなのに、体育館にはちらほら部員がいてその中には宮地さんもいた。
もう花子のことは一旦忘れて、シュートでも打とう。何本か外したが、構わずボールを放り続けた。
(「高尾」)
(「なんすか、宮地さん」)
(「緑間何かあったの?」)
(「あー嫉妬っすね」)
(「男の嫉妬は醜いって言っとけ」)