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緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第29章 また会えて嬉しいよ






『高尾、大丈夫?』


「・・・ダメ、・・・まじ吐きそう」


『トイレ行ってよね。』


「うぅぅぅ、」




今日から夏休み後半の追い上げと称した、山合宿がスタートした。


真夏日が続き、今日も外の気温は30度超え。冷房のない体育館の温度は、きっと40度近くまで上がっているだろう。


それに加えて、秀徳のハードな練習。
高尾は熱中症による体調不良を起こしてしまい体育館でぐったりとしていた。


残りのみんなは山を登ったり下ったりのトレーニングに出発し、高尾のお世話係に任命された私は体育館に残っていた。


コートをモップがけしたり、ボールの手入れをしたり、一通り仕事を終える頃には高尾の額を冷やしていたタオルはすっかりぬるくなっていた。




『タオル、濡らしてこようか?』


「・・・あぁ、頼む。」


『まだ気分悪い?』


「いや、大分楽になってきたわ。」



高尾はゆっくりと身体を起こすと、額に乗っていたタオルを私に向かって投げた。




「ありがとうな、山田。」


『合宿終わったらアイスね。』


「へいへい。」



随分と顔色もよくなってきた高尾を見て、一安心した私は、外にある水道へと向かった。


茹だるような暑さにミーンミーンと鳴くセミ。夏休みは好きだが、夏は苦手だな、そんなことを思いながら水道に着いたときだった。




「また会えて嬉しいよ、花子。」



振り返らなくても分かるその声で、身体中の血の気がスーっと引いていくのが分かった。



『何でここにいるの・・・・・赤司っ、』



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