• テキストサイズ

緑間のバスケ【黒子のバスケ】

第23章 まじでデートかよ






『なんで全部抑えられたの?』


「バカめ。オレの方が強いだけなのだよ。」


『いや、そういうことじゃなくて・・・、』



3人で横並びに歩き、先程の1on1を振り返る。



「言ったろう。ダンクしかないと分かっていた。選択肢が1つならそこにタイミングを合わせて跳べばいい。」


「理屈はそうだろうけど、火神だってダブルクラッチぐれぇできるだろ?」



珍しく高尾に同意し、うんうん、と頷いてみる。すると真ちゃんはそんな私たちに呆れたのか真顔で問いかけてくる。



「オマエら見てて分からないのか?」


「『分からない』」



真ちゃんはわざとらしく大きなため息を吐いてから、火神くんについて話し出した。




「つまり左手のハンドリングをやれ、と遠回しに伝えたのだよ」


「つーかいいのかよ?敵に塩あんな送っちゃって。」


「それでも冬はオレらが勝つのだよ。」


『どこから来るんだが、その自信は。』



まぁいつものことか、と付け足すと歩いてる私と真ちゃんの前に高尾が両手を大きく広げ立ちはだかる。そしてニヤリと笑う。


・・・嫌な予感しかしない。



「ストーップ!オマエら、オレになんか言うことあんじゃねぇの?」


「な、なんのことなのだよ?」


『な、な、なんだろうね?』


「いやいや、オマエら。白々しいぞ!」



その後、高尾が真ちゃんの肩に腕を回しボソボソと何やら楽しそうに話をしていた。内容は全く聞こえなかったが、うるさいのだよ、なんて言いながらも楽しそうにしている2人を見ると、私まで楽しい気持ちになった。


合宿っていいな、そんなことを考えたときだった。




「オマエら、いい度胸してんなぁ、おい。」



聞き覚えのある声にビクビクしながら振り返るとそこには、怒りに満ち溢れた宮地さんが立っていた。



「夕飯、全員揃わねぇと食えねぇんだよ。・・・殺すぞ。」



その日の夜、私たち3人がきっちり絞られたのは言うまでもない。こうして合宿3日目が終了した。



(「山田と付き合えたんだろ?」)
(「高尾、うるさいのだよ」)
(「照れんなって。・・・ヤった?」)
(「ばっ、していないのだよっ!!」)
(「んだよ、つまんねーな」)

(花子が聞こえなかった2人の会話)

/ 355ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp