第5章 溺愛執事の逆襲
か、あああ、って。
もう赤くなりすぎて逆上せるんじゃないかってくらい。
なんてこと、言わせるのよ。
なんてこと、言ってんの、あたし。
だって。
ハイセ、が。
ハイセがなんか、いつもと違うんだもの。
逆らえない。
瞳が威圧的で、鋭くて。
「……いい子ですね、よく言えました」
かと思ったらいつものハイセ、で。
やんわりとした、笑顔で。
だけど。
「じゃぁ、次」
片足を肩へと乗せたまま、舌を肌へと直に這わせながら。
伏せた目を開いたハイセの顔が、目が。
また変わった。
「この部屋で何してたんです?」
「……っぁ、ゃだ」
簡単に、剥ぎ取られる下着。
片足を肩へと乗っけてるこの状態じゃ、ハイセに全部、丸見え。
「ゃ、だハイセ。離して」
「言って、皇」
恥ずかしくて手を伸ばしながら、ふるふると首を振れば。
「そう」
短くそう、口にすると。
ハイセは伸ばしたあたしの右手を掴み、片足は肩へと乗せたまま。
割れ目に顔を近付けた。
ゾクリと嫌な予感しか、しなくて。
腰を引くけど。
右手が掴まれてるせいで動けない。
ついでに、結果的にこの右手のせいで片足はハイセの肩から外すこともできずに。
ただただ。
それを、視線におさめることしか出来なかった。
「や……っ、ぅそ、やだ」
さっきまでハイセが出入りしていたその場所へと。
ハイセは舌を這わせたんだ。
深く、噛みつくようなキスをしながら。
執拗に突起を弄ぶ。
「ん、っぁ、や、ぁっ」
左手だけでハイセを引き剥がそうとするけど、髪の毛を掴むだけで。
見ようによっては、しがみついてるようにしか、見えない。
「言って、皇」
ふー、って。
息を吹き掛けられるだけでびくびくと震える。
「や、らぁっ、しゃべんな、で」
「皇」
「っぁあ……っん、っぁあ」
知ってる。
絶対ハイセ、知ってる。
あたしが何、してたかなんて知ってるくせに。
わざと言わせたがるんだ。
あたしが、恥ずかしがるの知ってて。
楽しんでる。