第16章 神色自若
衣月の言葉に問いただしてみたが、衣月は
「行けばわかるよ。」
としか答えない。
そんなこんなでなんとも言えない雰囲気が漂う中。
着いた。
慶雲院より、大きな門構えで本当に寺なのか?どっかの富豪の家なんじゃないか?と思うくらい豪華絢爛な装飾が施されている。
ここが楼央院
大きな門を衣月は深呼吸してから開けた。
「衣月さまっ!?おかえりなさいませ…こちらの方々は??」
そこには掃除をしている尼僧がいた。
尼僧は衣月が帰ってきたことに歓喜しつつ衣月の後ろを見て言った。
「共に旅をしていたもの達です。部屋を用意してあげてください。」
微笑みつつもいつもの様子とは違う衣月。
衣月はそう言うとどこかに行ってしまった。
里白達は尼僧の案内で客間に通された。
「なぁ…里白…衣月さ…なんかおかしくね?」
悟空が沈黙が続く中で言った。
「おかしくはないです。あれが煌玄三蔵法師なんです。」
里白は悲しそうに言った。
「どういうこと?」
悟空には意味がわからない様子だ。
「生きる為の術なんです。この寺院は暴走していない妖怪や男女関係なく困っているなら受け入れます。しかし、人の欲…特に性欲は不浄なものとして扱います。他は寛容なのにそこだけはダメなんです。ここには訳アリの女性ばかりなので……」
里白はさらに悲しそうに言った。