第2章 誕生祝い to Nino
「ニノこそどうしたんだ?」
「お使い頼まれたの」
よく見れば、ニノは近くのスーパーの袋をぶら下げている。
あぁ…
思わず大きなため息を吐きそうになって、慌てて堪えた。
翔と雅紀のことを勘違いした時も思ったけど、ニノってびっくりするほどタイミングが悪くないか?いや、逆に良すぎるのか?
まぁ、どっちでもいいけど。
たまたま買い物に来て、この人混みの中、2人きりでいる翔と智を見つけるってどんな確率だよ…
しかもほんの数分前までは俺も一緒にいたんだ。
偶然俺が離れたタイミングでニノが現れるってさ、狙ってやろうとしても難しいんじゃねぇの?
うっかり感心しそうになるけど、今はそんな場合じゃない。
「ねぇ…潤くんは、今日智と翔ちゃんが会ってるの知ってた?」
ニノが視線を翔たちから離さないまま聞いてくる。
「…ああ、知ってた」
「そっか…潤くんは知ってたんだ…」
素直に答えたら、ニノの瞳が悲しそうに揺れて。
「ニノは?」
翔たちが隠してるんだから、ニノが知るわけないのに。
それでも、つい聞き返してしまった。
「知らない…翔ちゃんも智も俺には内緒にしたいみたいだから…俺は何も聞いてないよ…」
「ニノ…」
やっぱりニノは何かに気付いてる。
そしてそれを悪い方に捉えてる。