第3章 籠の中
「はぁ…サラがあんまり可愛えからまた勃ってもうたわ♡」
口を離してそう告げられ咄嗟に白石の下半身に目をやれば、恐ろしい程に勃起したそれが先走りとサラの唾液でてらてらと光っていた。
「ひっ…」
反射的に逃げようと身を引いたサラだが、するりと腰を捕えられ簡単に四つん這いに組み伏せられてしまう。
「ま、まって…お願いむり…あっ」
「無理ちゃうやろ?」
腰を捕まれ屹立したそれを擦りつけられ、情けない声が口から零れた。
「サラ、挿れられる時は俺の目を見ること」
「あっ…ぅ、」
肉棒でパンパンに充血した突起を擦りながら白石は愉快そうに言葉を紡ぐ。
「俺がええ言うまでイかへんこと」
「や、んっ…あっあ、」
「イく時は俺の名前呼ぶこと」
「ひ、ぁ…んっ…はぁっ」
ぬぷぬぷと入口を浅く刺激される度返事のように声が零れる。
「蔵ノ介くんとのお約束やで♡…わかった?」
「あぅ…わか、わかったから、もう許し…」
正直半分も分かっていなかったが、解放されたい一心で許しを乞う。それを見透かしたように舌打ちをする白石に、ひくりと身体が跳ねる。
「分かったんやったらさっさと俺の目見てくれるかなぁ?今から挿れる言うとるやろ」
「ひっ…あ、やっ」
空いた手が胸に伸びてきて、先端をきゅ、と摘まれる。思わず仰け反ったサラの視界に、正面に設置された鏡の中の自分が飛び込んでくる。もはや何で汚れたのか分からないドロドロの顔は、自分でも見たことのないほど恍惚に蕩けていて、その更に向こうには、暗く湿った瞳でこちらを見下ろす白石の美しい顔があった。
「そのまま、見ときや」
そう告げられた言葉は暗示のようで、サラはそのまま鏡越しに白石の目に釘付けになる。満足げにその目が細められたかと思うと、ぐちゅりと水音を立てて白石の肉棒がサラの中に押し入ってきた。
「ひ、あ、あ、あっ…」
後ろから犯され甲高い声が溢れ出す。最奥に到達した白石は小さく息を着くと、すぐに乱暴な律動を開始した。
「あっ、ぐっ…んぁっ♡…あっ、んっ♡」
動きに合わせた水音と自分の嬌声が響く。サラのなけなしの理性はその音の中に溶けてしまう。抗うように伸ばした腕は空を切り、サラは自分が快楽の海に落ちる音を聞いた。