【B-PROJECT】あなたの瞳に永遠を誓います......
第7章 魅惑の浅葱色
「皆もう分かってると思うけど、今回は松倉 健蔵さんのご厚意で舞台『新選組アルティメット』にBプロから三人参加できることになったの」
レッスン室でそんな話を聞かされたのは先日の事で、作品内容は新選組を元にした現代風時代劇だ。
選ばれた三人は参加者全員で行われるワークシップに参加、その様子でキャスティングが決まるらしい。
「勿論!狙うは準主役の沖田総司役。いいわね!」
松倉さんが主演と演出を担当するこの作品は注目される事間違いなしで、夜叉丸さんも気合い十分だ。
「沖田といえば、この俺に決まってんでしょ!」
元気にそう言ったのは暉くんだ。
「確かに、沖田総司の人柄は暉くんに似てますよね!」
「でしょ!でしょ!」
嬉しそうな彼。
でも本当にピッタリだよね。
「彼はひょうきんな性格だったと史実にもありますしね。天然理心流の道場では、彼より年上の免許皆伝の者達が子供扱いされたとありますよ」
だからピッタリ!沖田総司は面白い人だったのかな?
あれ......暉くんがポカンとしているような?
「でも作品の中の沖田総司には、増長さんが一番彼に近いですよね。好青年で柔らかく儚いイメージがあるので!儚い雰囲気もあるのは、早くして病で亡くなっているからかもしれませんけど......」
「そうなんだ......あ、ありがとう......」
えっ......増長さんもポカンとしてる?
「ただ......本当の彼は色黒でヒラメ顔との記述が残ってます。皆さんはかっこいいので、見た目が似た人はいませんね?」
今度は皆がポカンとしている。
「みょうじさん、よく勉強してきたんだね」
増長さんが笑顔で褒めてくれた。
勉強......?
「ふふっ、そんな......勉強なんてしてませんよ?」
確かに業界用語などは日々勉強中だ。