【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第25章 KICK OFF !
「今から、俺の用事に付き合って?」
増長さんが私の手を取る。
あんなことがあっても本当に普通だ。
気にする方が失礼だよね?
「いいよね?」
「は、はい。」
な、何だか、威圧感がすごい......。
あれ......悠太くんの元気がない。
「どうしたんですか?」
「うん、さっきのつばさちゃんのチケット、ジャスティス・フーバーのだった。」
あ、落としてたやつ?
「へー。つばさ、ああいうの聞くんだ。」
「私も好きです!」
「俺も好きだよ。」
私と増長さんの声が重なる。
「なまえチャンも好きなの?俺は最近、Mimiの曲ばっか聞いてる。」
「はい、聞きますよ。Mimiといえば北門さんの主演ドラマのピアノ曲がMimiでした。」
「いいよね、王子は会えたりしてないのかな?」
「彼女は顔出ししてないですもんね。曲はテレビでもラジオでも流れないし、レンタルもしない。CD購入じゃないと聞けないですよね?」
「そうそう!俺、CD買ったよ。」
「すごいですね!でも、さすがに北門さんでも会えないと思いますよ。」
「暉、残念だったな......。」
「あー、ショック!だって、あんなに綺麗な歌声なんだよ?可愛い人に決まってる!」
大きな声を上げる暉くん。
本当に彼女のファンなんだな......。
「暉くんの方が有名なのに、すごい状況ですね......。」
「え?どうにかして会う方法ないかな?」
「高音の曲もあるが、かっこいい曲は人が変わったのかという程低音だ。」
「暉はずっと聴いてるもんな。あれだけ、流されたら皆覚える。」
「そうですね。僕も物凄く可愛いに一票です。」
「俺はただ単に、イメージを崩さない為に顔を出してないのかなと思うけど......。」
他のメンバーの意見は様々だ。
「顔出ししないって自分に自信がないのかと思うけどね。」
「ケンケン失礼だよ!」
「異色な活動してるから話題性はあるよな。見た目に興味はねぇけど......」
剛士くんは確かに......興味無さそう。