【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第25章 KICK OFF !
私は彼の腕に飛びつき、
顔を隠して彼らの横を通り過ぎようと、
「みょうじさん?」
不意に名前を呼ばれる......増長さん!
彼とは一番顔を合わせづらい!
「ふっ、呼ばれてるけど。」
彼は笑いを堪えている。
「黙ってね?知らない人を気取って進んで。」
その腕を引っ張ると、逆方向から腕を引っ張られた。
「なまえ?」
愛染さんも、鋭い......。
「いえ、人違いです......。」
「見間違えるはずないよ。」
顎を掴まれると、目線を合わせられた。
「「なまえ(ちゃん)!?」」
「お疲れさまです。奇遇ですね!」
私の目はさぞ泳いでいるだろう。
腕を組まれている彼は、大爆笑だ。
「仕事行っていいよ?はい、行ってらっしゃい!」
腕を解くと、その背中を押した。
「ははっ、お前も頑張れよ!埋め合わせは必ず。な?」
そう言うと彼は立ち去った。
「あの、じゃあ私はコレで、失礼します......。」
「あの人、誰?彼氏?」
愛染さんに後ろから抱きしめられた。
ここ、公共の場!
「げ、芸能人なのに......警戒心無さすぎですよ!!」
「みょうじさん、彼氏がいるの?」
増長さん......彼は素敵な王子スマイルだ。
「違います。」
「無防備だから狙われてるんじゃないかな。お仕置きしようか?」
「ええっ!」
私は全力で目を合わせない。
「随分可愛い格好してるね?」
確かに職場とは違う雰囲気だと思う。
「僕たちにはばれたくなかったようですしね。」
「ねぇねぇ、話してくれる?なまえちゃん。」
「俺たちには知る権利、あるよね?」
「なまえ、コイツらしつこいから......諦めて話した方がいいぞ。」