第23章 沢山の愛をキミに

物語はクライマックスに差し掛かった。


いつの間にか人形の呪いは主人公達にも降りかかっていた。
続けて大きな怪我をしたり、事故に遭い車が廃車になったり......。


どんな終わり方をするのかな？


私たち、一本の映画でどれだけ叫びそうになってるんだろう？
剛士くんの足は始終震えている。


それから彼女たちは、人形の魂が安らかに眠れる場所を探し出した。
その日から宝くじが当たったり、大きな幸福が舞い降りるようになる。


ずるい人ならその力を利用するだろうが、彼女たちは成仏させてあげようと頑張っている。


「行きなさい。」

「ちゃんと、成仏するのよ？」

「バイバイ。」

そして、さよならした。


なんか、感動だった......。

「うっ、ひっく......。」

まさか、ホラー映画が泣けるジャンルだなんて......。


エンドロールに入り、隣の剛士くんは脱力している。
終わったから安心したのかな？


あれ？
突然、頭を撫でられる。


私が泣いてるから？


座席を見れば、ほとんどの人はもう出て行ったようだった。


私たちはエンドロールが終わってゆっくり出よう。
彼らは芸能人だし。


終わった......。


パッと明かりがついた。