【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第17章 初めての感情 色づく世界
「怖いんだ?」
「い、いえ......」
バレバレな否定をする彼女。
「じゃあ俺は寝るね。おやすみ」
そう言うとベッドに横になって背を向ける。
「う、嘘です......怖いです!一緒に来てください......」
縋り付いてくる彼女......可愛い。
「えっ!?」
気が付いたらその細い腕を引っ張って組み敷いていた。
「警備料は前払いして」
俺の意思とは関係なくそんな言葉が出る。
「は、はい......何をすればいいですか?」
「キスして」
はっ!?
自分の発言にぽかんとする。
「へっ......?」
見れば彼女もぽかんとしている。
俺はなんて事を......。
「最近、増長さんって......愛染さん化してますよね?」
「ふふっ、俺はみょうじさんにしかしないよ?」
もうダメだ。
俺は彼女を前にするとどうやら自制が効かないみたい。
モデルの代わりをしてくれた日も、彼女にあんな事をするつもりはなかったのに。
付き合ってもないのに手を出す人間にはなりたくなかった。
「はい、どうぞ。場所によっては警備サボっちゃうかもね」
赤くなっている彼女に笑いながら顔を寄せる。
さっきから口を開けばとんでもない事を言ってしまう。
もう、喋らないで......俺。
その気持ちとは裏腹に期待する気持ちも勿論あるわけで......どこにしてくれるんだろう。頬とか?
薄く片目を開くと目を閉じて彼女が近づいてくる。
こんな時までいちいち可愛い。
甘い香りがして柔らかなものが触れた。