【B-PROJECT】(完結)あなたの瞳に永遠を誓います
第72章 Farewell
過去の過ちが未来に与える影響は、予測できないものだ。
「おはよう」
「おはようございます」
山城さんと共演しているラジオの控え室。
数日前までの気分は一転。
スキップしたい気持ちだ。
彼らが山城さんに負けるはずがない。
「そういえば、相手役......今になってオーディションすることにしたの?」
やっぱり、情報が早いな......。
「はい、最後の仕事なので。思い入れのある舞台になることは言うまでもないですから」
「本当は思い当たる男でもいるの?」
「いえ、言いましたよね?私は恋愛ごとには一切興味はありません」
「そうなの......増長くんかと思ったのに」
「あの、私は彼に詳しくありませんが......何か増長さんに恨みでもあるんですか?」
山城さんの発言は増長さんを、目の仇にしているように聞こえるんだけど。
スッと差し出された携帯の画面。
それを見た私は、目を見開いていただろう。
「キスするような関係なのに、付き合ってないの?」
「これ......どこで?」
帝人さんと出かけたあの日。
ベンチで......。
「話しかけても一つも表情崩さないのに......そんな表情も出来るんだね」
下卑た笑みを浮かべた男に頭に血が上るのを感じた。