第2章 不足【分隊長ハンジさん・R18】
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「ハンジさん、なまえです」
執務室のドアをノックしながら室内にいるであろうハンジへと声をかける。
「あぁ、おかえり!入って~」
扉を開け、室内に入ってくるなまえの手元を見るとハンジはげっと顔を歪めた。
「この書類をハンジさんに渡して欲しいとエルヴィン団長が」
急ぎの仕事ではないということを伝えるとハンジが安堵の溜息を零した。
「よかった・・・やっと溜まりまくってた仕事が終わったところだったんだよね」
「溜めまくってたのは貴方です。分隊長」
やれやれと書類をまとめながらモブリットが溜息をつく。
ハンジの傍で一緒に仕事を片付けていたのだろう
その顔色にはいつも以上に疲労の色が見える。
「ごめんね!モブリット!」
ハンジさんが顔の前で手を合わせごめん!と謝っている。
「急ぎの書類は自分が自室に戻るついでに提出しておきます」
書類を手に取り、モブリットが立ち上がった。
「助かるよ~ありがとうモブリット」
おやすみ!と扉の前に立つモブリットに手をひらひらと振る。
上司の怠慢によって山積みになった仕事を手伝わされ、
挙句の果てにはこんな時間まで残業させられたにも関わらず
ハンジとなまえそれぞれに頭を下げてから退室していくモブリットは本当にできた部下である。