君の声が聞きたくて 〜Your voice〜【気象系BL】
第24章 tempestoso…
ニノが俺に抱かれている時、ニノはいつも驚く程甘い声を上げていた。
俺はその声を聞くのが好きだった。
でもまさか自分がそんな声を上げるなんて…
「どうして? もっと聞かせて?」
「やだ…、恥ずかしい…もん…」
口を塞いだまま、首を横に振る俺を見下ろしながら、翔さんがニヤリと笑う。
あ、この顔…
今日久しぶりに会って気付いたこと…
普段は大きな目を、思いっきり細めて笑うのは、何かを企んでる時の顔だ、って。
そして俺の予想は見事に的中で…
「じゃあ、ずっとそのままでいてね?」
言われて、ヤバイと思った時には既に遅くて…
不器用な翔さんには似合わない、至極素早い手付きで俺はあっという間に丸裸にされてしまった。
こうなったらもう翔さんの思う壷で…
「これてもまだ抵抗するつもり?」
聞かれて俺は観念したように首を横に振り、両手を口から離し、翔さんのセーターの裾を掴んだ。
「俺ばっかり狡いし…。翔さんも見せて? じゃないと、本当に病気じゃないか確かめらんないでしょ?」
「はは、確かにそうだね?」
翔さんが身体を起こし、着ていたセーターを脱ぎ捨てる。
三年前よりは、幾分か筋肉の付いた逞しい胸板に、思わず見蕩れてしまう。
そして翔さんがベルトに手をかけようとしたその時、俺は思わずその手を掴んだ。
「智…?」
「俺にさせて…?」
「えっ…?」
戸惑いの表情を浮かべる翔さんを見上げながら、俺は翔さんのベルトを外し、スラックスの前を広げると、下着の上からでも分かる、明らかな膨らみに唇を寄せた。
「あ、こら…、それ反則だろ…」
動揺する翔さんに、今度は俺がニヤリと笑って見せる。
俺だってやられてばっかじゃないしね?
スラックスを膝まで下ろし、下着の上から翔さんの中心にキスを落とす。
きっとこの三年ろくに触れてもいないだろうそこは、僅かな刺激にも敏感に反応を示した。