第14章 〜運命の赤い糸〜
お互いの揺るがぬ気持ちの中で
至福に包まれれる家康と桜奈。
一方で、最大の試練が待ち受ける
信長と栞。
その日、家康は、信長にある提案を
していた。
『栞と同じ未来人の佐助とか言う
男に会いました。その男は謙信の
家臣のようで謙信が顕如の策に
嵌っている事を伝えました。
今頃、その事実を知り怒り狂って
いると思います。その怒りの矛先を
顕如に向け、共闘して顕如諸共
一向宗や今川残党を掃討すると
言うのはどうでしょうか?』
『ほう、なかなか面白い策だな。
早速、謙信に書状をしたため
反応をみるか。』そう言うと
信長は、書状を書いて使者に
持たせた。
使者は、謙信からの書状を持ち帰り
信長に手渡した。
『家康、貴様の言った通り
頭に血が上ってるようだ。
これは使えるの。明日ここに
くるそうだ。ただ条件があると
書いてある。桜奈を軍議に
同席させろと書いてあるが如何する?』
不敵な笑みを浮かべる信長。
『くっ、なんで桜奈を』
と眉をひそめ苛立つ家康。
だがこの策を提案した手前
成功させなければならない。
家康は、『桜奈に承諾を
得てきます』と桜奈の
もとに向かった。
栞と夕餉の支度をしていた
桜奈は家康に呼ばれた。
『桜奈、明日、謙信がここに来る
共闘して顕如の掃討する軍議の為だ。
その席に桜奈も参加させることが
共闘する条件だと言ってきた。
あんな目に遭わされたばかりで
怖いだろうから、嫌なら無理は
しなくていい。どうするかは桜奈が
決めて』そう、家康は言った。
『畏まりました。家康様、私は
大丈夫でございます。家康様が
共にいて下さるのでしょう?
それならば、問題はございません
軍議に参加致します。』
『分かった。桜奈の側に
ずっといるから安心して。
じゃ、信長様に報告して
くるね』と来た道を戻って行った。
『桜奈さん、何かあったの?』と
戻った桜奈に聞く栞。
『明日の軍議に参加することに
なりました。目的が何かは
わかりませんが、謙信殿が
それを顕如討伐の共闘の
条件としてきたとかで』
『あー、桜奈さん
それ、謙信さんに惚れられた
のかもよ?』
クスッとすると
『栞さんまで、可笑しなことを』