• テキストサイズ

夜空に煌めく星たちよ【気象系BL】

第23章 ご城下らぷそでぃ【S×O】




「私は上様を裏切るようなことは、決して…なれど、それを証明する術が分かりませぬ。
出ていけと言われても、私はもう、あなた様のお側でしか生きられませぬ…
ならば、いっそ、その手で私を殺してください!
翔さまに命を絶たれるのなら、さとは本望にございま…」

「さと!もうよい。もう……止めてくれ…」

「…翔さま…」


私とて同じこと。
さとなしでは、最早生きてはゆけぬのだ…


………さとを信じる。

たとえ騙されていたのだとしても…
いや、それは例えるべきでもない偽りなのだと分かったが。


それでもいい、と……

さとと生きていこう…


もうずっと前から、そう決めていたではないか。


それを……


私はなんと愚かだったのだ。


「………さと、私を許してくれるか…」
「翔さま……」
「一瞬でもそなたを疑ごうた私を、どうか許して欲しい…」
「……」

さとの手を両手で握って、そこに額をつけて許しを請う。

しかし、さとは何も言わない…


不安になって顔を上げると、さとはいつもの笑顔で私を包んでいた。

神々しいばかりの、
何もかも包み込んでしまうような、そんな優しげな微笑みだ。

「…許すもなにも…」

そう言いながら、さとは両手を解いて、その手で私の両の頬にそっと触れた。

「私を、信じてくださいますか?」


さとの潤んだ眼に、私が映っている。


さとの手の上に、自分の手を重ねた。

「あいすまなかった。もう二度と、さとを疑うようなことはない…私の命にかけて誓うぞ」

「ふふ…翔さま、大袈裟です。
上様のお命を、そんなに簡単にかけてはなりませぬ…」

さとは、華のように笑った。


/ 349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp