第99章 恐れていた力。
★★
私たちは、とうとう敦の逆鱗に触れてしまった。
ずっと自陣のゴール下から動かなかった敦が、とうとうオフェンスに参加しだした
テツ君が言うには、敦は本来ディフェンスよりもオフェンスの方が得意らしい
今の敦を、誰も止める事ができない
彼の持つエネルギー量は、全然ケタ違いで・・・
ただでさえ、敦の威圧感でプレッシャーがかかるのに、皆は更に追い詰められていく
鉄平さんの得意とする後出しの権利でのパスもカットされてしまう
そして・・・・・敦のダンクが決まった時だった
―ピシッ―
「嘘・・・・・でしょ・・・?」
―ギギギッ・・・-
ゴールが崩れ始める音
誰もが言葉を失った。敦一人を除いては
紫原「結局デカい奴が勝つようにできてる。それがこのクソスポーツの根本だろ。こんなもんの何が楽しいの?小物がどんなに技術を磨こうが圧倒的破壊力に勝てるもんなんてない」
―ゴワッシャア―
紫原「どんな理想も俺にとっちゃあただのゴミだ」
敦のこの言葉とともに、ゴールが崩れ落ちた
こんなことがあり得ていいの?
敦の力の強さにゾッとする
ゴールが破損したため、試合は一時中断となった