第25章 秘めた想い。
あれから屋上には一度も行かなかった
行けば会えると思ったし、会いたいとも思った
でも、日向の気持ちを知っててそれはできなかった
ちゃんも何事も無かったように俺に会釈をするだけだった
俺が中三になった頃には、ちゃんはほとんど学校に来なくなってたし、俺の気持ちも少しづつ薄らいでいった
高校も決まって、このまま卒業するんだと思ってた
卒業式の日、ちゃんは珍しく学校に来ていた
この頃、ちゃんは常にイヤホンをつけてたし、元々自分から話しかけにいくタイプじゃなかったけど、益々人を寄せ付けなかった
あの時一緒にサボったのももう忘れてるかもしれないな・・・・
卒業式も無事に終わり、帰ろうとした時だった
クイックイッ
誰かが俺の袖を引っ張った
伊月「っ?!ちゃん!!」
もう話すことは無いと思ってたからビックリした
「あの・・・卒業おめでと。」
伊月「ありがと^^」
「覚えてないかもしれないけど・・・・屋上で、一緒にお茶飲んだり、お昼寝したり・・・楽しかったょ・・・・・俊くん・・・」
消え入りそうな声で精一杯伝えてくれてるのがわかった
抱きしめたかった
強く、強く、この手で・・・・
でも、日向を裏切る事はできない
ポンッ
俺はちゃんの頭に手を置いた
伊月「俺も楽しかったょ^^・・・ありがとう」
ありがとう・・・大好きだったよ・・・
これで俺の初恋は終わった
はずだった。