My Dearest ♡【R18名探偵コナン短編集】
第2章 このまま二人で堕ちていこうか【黒羽快斗】
「ただいま〜」
っていっても誰もいなかったかー
疲れたー
リビングのソファに学ランのままぐったり横になる。
知らん間に自分の腕を目の上に置いていた。
ポーカーフェイスって案外キツいなー。
もうもたねぇかも。
盗みをしている理由なんて世間には関係なくて、正真正銘俺はこの現実世界で現在間違いなく犯罪者で。
勝手にテレビに中継されたりして日本中の多くの人は怪盗キッドとしての俺を知っている。
高校2年生のこの俺はこの国を揺るがしている
そう考えたら息が詰まるので普段は考えない
盗んだ宝石を返すという行為で俺の良心は保ってるつもりだったけど俺は間違いなく捕まるべき対象で。
いちばんのしんどい事案は好きなヤツに俺の素行を隠してるってことで。
こんなこと誰にも言えねぇ。
青子は俺がキッドだって知ったらどう思うんだろう。バレたらどうなるんだろう。
嘘をつき続けるのはこんなに大変なんだな
ぐるぐる考え出してしまってる俺だせぇなとフッと笑ってるとリビングのドアが開く。
アイツか。
「ただいまー。」
「おかえりまどか」
「お兄ちゃん?」
小柄な妹がてててーと俺の元へとやってきたからソファから起き上がった。
「まどかが今日も無事学校から帰ってきてお兄ちゃん安心だわ〜」
ワシワシーっと頭を撫でてやる。
今まで考えていたことをかき消すようにおちゃらけたことを言ってみる。
「もーいっつもやめてよ髪崩れるー!わたし妹でもお兄ちゃんと同じ学年なんだよ分かってる?!」
なんて
朱莉はちょっと照れて拗ねたような顔になったが、すぐ冷静に高校2年生相応以上な大人の凛とした顔つきになった。
「お兄ちゃん…なんかあった…?」
ゆっくり聞かれた。
「…なんでもねぇよ。」
「あった!!絶対なんかあった!!」
こいつは勘が鋭い気がする
「…なんでわかんだよ」
そっぽ向いて答える
「だって…」
まどかはソファに座ってる俺の前にゆっくり近づいてしゃがみこんで下から見上げられる
「お兄ちゃんが…すきだから」