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【GIOGIO】Breve modifica

第11章 Ubriacone【護チ】











「うッ………あたま、痛……………」


翌朝、チヒロは仮眠室のベッドの上で目を覚ました。
普段通りに上体を起こすと、激しい頭痛がした。同時に吐き気もやってくる。

何で?体調不良?いや、そもそも私、どうして仮眠室に───…

そこまで考えて思い出した。
そうだ、昨日アジトでヤケ酒をあおって、ワイン1本を1人で空けたのだった。

その後…どうしたっけ?

瓶がほとんど空になった辺りから、何だか無性に楽しくなってきて笑いが止まらなくなった…ような記憶はある。

が、そこから後の事は一切思い出せなかった。


まさか記憶を飛ばしてしまうなんて。これほど酔ったのは初めてだ。
という事はこのベッドに寝ているのもおそらく自力ではなく、誰か他のメンバーがここまで運んでくれたのだろう。
お礼を言わなくてはと、気怠い身体を何とか動かしてベッドを下りようとした時。


「あッ!チヒロ!目ェ覚めたのか!」

「チヒロ、体調はどうですか?」

「お前にしてはすげえ飲んでたからな、気分悪いんじゃあねーか」

「チヒロ、無理はしなくていい。辛ければ横になっていろ」

「なあ〜ッチヒロ、水飲むか?水!」

「チヒロ、何か欲しいものはありませんか?」

扉が開いてミスタが顔を覗かせたかと思うと、その後からメンバー全員が我先にと仮眠室へ入ってきた。

確かに調子は良くないけれども、なんだか過剰に心配されている気がする。
なんと言うか…皆、目の色が違う。


「あ、あの…えっと、ごめんなさい皆、私……昨日、何かした…?」



「「「いや?」」」


全員の声が揃った。



ああ、絶対何かやったんだわ。
そう察した彼女だが───一体それが何なのか、結局教えてもらえなかった。


何故か互いに火花を散らし合っている6人を前に、チヒロはもう2度とヤケ酒はやらない、と誓ったのだった。





End

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