第5章 ~石田三成~ end. 【後編】
「きょうこ様」
「はい……」
三成くんが真剣な顔で私を見ている。
「私は、貴女の事をとても大切に思っています。まだ伝わりませんか?あの方よりも、もっと大切に……
“きょうこ”のことを、想い慕っていることに」
「…………」
初めて……三成くんが私の事を“きょうこ”、と様を付けずに呼んだ。
どうしよう……何か、返事をしないと……
私が黙ったままでいると、三成くんが話を続けた……
「私は……ずっと不安でした。あの方よりも……私の方が全てにおいて劣っていますから……ですが、これだけは言えます。
“きょうこ”、貴女の事は、きっと誰よりも一番大切に想っています」
そこまで聞いて、もう涙が堪えられなかった。
「わ、私も……ずっと、不安で……私でいいのかな……って……でも、でも……
いつも私の事を大切にしてくれる……三成くんのこと……
ううん……違う……
私も、とてもお慕いしています……“殿”の事を……」
「きょうこ……」
そう、本当は周りからもずっと言われていたんだ。
三成くんなんて、呼んではダメだ、と。
貴女は奥方になったんだから、きちんと“殿”と呼ぶようになんて……
「三成くん……ううん、私の愛する殿は、誰にも何も劣ってなんていないよ」
「ふふ……照れますね……殿なんて呼ばれると……」
「そぉ?」
「はい。やはり二人きりの時は、三成と……」
そう言って抱き締めてくれる三成くん。
「お互いが想い合って、遠慮していたんですね、私達は……」
「ふふ……そうみたいだね」
「はい……あの、遠慮せずに伝えてもよろしいでしょうか……」
「もちろん……って、、、あれ?もしかして……」
私の太股に硬いモノが当たっている。
「実は……ずっと、触れるのを我慢していたのですが……お腹の子に障りますでしょうか……」
あぁ……やっぱりいつまでたっても、三成くんは可愛いっっっ!!!
「ゆっくり、優しくだったら大丈夫だよ……ありがとう、三成くん……」