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お嬢と孔雀【歌い手】

第4章 噂の広まるパーティーにて


うらたぬきside


見回りを終え、ホールの入口に戻る。
時計を見ると、交代予定の数分前。坂田ももうすぐ来るだろう。


ふと、自分の左耳を触った。いや、左耳にあるピアスの方が正しいか。


そこにあるのは昨日頂いたばかりの物。俺のイメージカラーである緑のジェイダイトが使われているピアス。


そらるさんやまふまふさんも常にそれぞれの色である、青と白のジェイダイトのピアスを付けている。
まさか、それが貰えるなんて思ってもいなかった。


婚約者であっても、護衛は護衛だ。
幹部としての地位が少し上がるくらいかと思っていた。しかし、側近になるまで上がるなんて。




「うらさん、どうしたん?」


『ん、坂田か。いや、なんでもない。行くか』




気づくとかけられていた声。
隣には坂田がいた。


本来の目的を思い出す。今日は護衛だ。気を張らなくては。


二人でホールに入ると、少しざわついた。耳をすませると、婚約だの結婚だの聞こえてくる。
そらるさんとまふまふさんの予想通り、噂が順調に広まっているんだろう。


でも、なんで噂で流すのだろうか。
その意図が分からない。




ホールを見渡すと様を見つけた。先程と変わらず人に囲まれている。
ふとこっちを見られた気がした。
それと同時にこちらを向く数多の視線と大きくなる声。


俺達は余程注目されているらしい。


坂田と共に様の元に向かう。
志麻とセンラと場所を変わると、様から俺達の事を紹介された。


軽く会釈だけし、護衛の任務に入る。
志麻はホールから出ていき、センラは近くの奴と話し始める。
様が考えていた通りだ。






やはり、違和感を感じる。
全て様の予想通り。



本当に様はただのお嬢様なのか?



それにしては頭が回る気がする。



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