第3章 めんどうな女
「聞いてんの?」
布団を無理やりはぎとられてしまった。
「ヴッ。。。ひっく、ひっく…。あっち行ってよ。もう顔みたくない!バカ!」隆二に取られた布団を取り返す。
「…。すげー。鼻水出てるぞ。」涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を触ってきた。
「やだ。触らないで。」顔をそむけて、また布団につっぷした。私の一番言ってほしくない事を言ってしまった隆二が信じられなかった。
「もう、大嫌い!本気でそう思ってたんだ。じゃあ、なんで私に指輪なんて渡すのよ。ゆいさんに渡せばよかったでしょ!」
「渡したよ。昔に。」
「え…。」
嘘がつけないって、本当に残酷。