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届かないとしても

第4章 そんな所も好き*


さっきは危なかった。先生が来る前にギリギリで席についた事はバレていなかったみたいだ。

昼休みになったし先輩の所行こ!

「先輩~!お昼一緒に食べましょ!」

「遠慮しときます」

「なんでですか~、先輩冷たいですよ。入学式の日の先輩はすごく優しかったのに」

「あの日声をかけた後輩がこんな行動に出ると知っていたなら声はかけませんでした」

「またまたぁ、そんなことないくせに♡」

私と先輩のこの掛け合いはもう日課だ
最初は3年生の教室に堂々と入っていく私に先輩達はびっくりしていたけど、今はもう慣れたらしい。
先輩達が「また来たの?」なんて声をかけてくるくらいだ。

たまに鋭い視線が刺さるけど、悠斗先輩が好きな人達かなぁ。
先輩かっこいいもんね。うん。

あぁ昼休みが終わっちゃう!

「先輩早く食べましょ」

「俺はもう食べ終わりましたよ」

「えっいつの間に!」

「貴方が来るのはわかっていたので。その前に」

「え~残念…ならここで食べても良いですか?」

「………さっさとしてくださいね」

ふふ、先輩、嫌なら無視でもすればいいのに、ちゃんと返事してくれるんだからやっぱり優しいなぁ。
そんな所が好きなんだ。

先輩の顔に見とれながらお弁当を食べる。美味しい。

「…俺の顔ガン見して楽しいですか」

「はい!」

「これ以上見るなら無理矢理追い出しますよ」

わぉ、今の顔怒ってる。怖い

「は~い。気をつけます…」


黙々とお弁当を食べているとすぐになくなってしまった。
もっと先輩といたかったけど、丁度昼休みも終わるし。

「よし!お弁当食べ終わったので!先輩!付き合ってください!」

「食べ終わりましたか。では早く戻ってください」

「照れ隠しですか?」



あ、追い出された


もう、先輩ったら
そんな所も好き!
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