第6章 想起4
優愛の家の裏下で一つの影があった。
「飛影、本当にこれで良かったんですか…こんな…でも約束通りお別れは言えましたね…」
蔵馬は空を仰ぐ。
後は二人次第だと…。
飛影が魔界に行く際、雪菜が声をかける。
兄に氷泪石を渡してほしいと
その時雪菜の手首に巻かれているミサンガに気付く。
「それは…どうしたんだ?」
「あ、これは暗黒武術会の時に友達に貰ったんです約束の証に…」
嬉しそうに雪菜はミサンガを眺める。
「約…束…?」
「はい、ずっと健康で幸せでいられるようにとの願いを込められました」
飛影は何か思い出せそうな気がした。
誰かとミサンガを…
約束を…
でも踏み込んではいけない
そう思い飛影は魔界へと向かった。
「雪菜ちゃんありがとう。」
蔵馬は雪菜の気遣いに礼を言う。
「いえ、でも寂しいです。飛影さんが大切に想っていた人を忘れてしまったなんて…」
雪菜は思い出していた。
優愛と初めて会った時のことを