• テキストサイズ

promessa

第6章 想起4



「優愛」

「ひ、飛影!」

優愛は喜び抱きつく。

しかし飛影は複雑な顔をしている。

「全然会いに来てくれなかったから寂しかったんだよ…」

「…霊界からの指名手配が解けた。」

「え?」

「俺はこれから魔界へ帰る」


優愛に衝撃が走る。
それを隠せず動揺し飛影を見た。

「もう会えないの?」

「もうここへは来ない…二度とお前にも会いに行かない」

「っ!!どうして!?私何かした?私のこと嫌いになった!?」

泣きながら優愛は飛影の服の裾を掴み訴える。

「そうじゃない…」

「どうして…」

「俺は…」

「飛影にとって私はその程度の存在だったんだ…」

「優愛…」

「もうどうでもよくなったんだ…」

「違う!!」

「!!」

飛影は優愛の顔に近付き流れている涙を指で拭う
そして、優しく唇が重なった。

「お前のことが好きだ」

優愛は聞きたかった言葉を聞けてさっきとは違う
幸せの涙を流す。

「わ、私も飛影が好き!」



その瞬間周りには夢幻花の香りが漂う。


これでお互いの記憶も想いも忘れる…


ありがとう…優愛……――――。

そう最後に呟く飛影の言葉は優愛に届いたかはわからない。



優愛は気が付くと今まで誰かといた気がするが全く思い出せない。

「あっ」

ベッドの上に何か落ちている。
それを拾い上げる。

「紅いミサンガ…」

どうしてこんなものがここに…作った覚えもない。
何か何か大切なことを忘れている。
苦悩するが何も思い浮かばない。

思い出せるのは紅いミサンガは幼い頃両親が大切な人ができたら作ってあげなさいと言っていたことだけだった。

優愛は黙って紅いミサンガを大切に手首に巻き付けるのであった。
/ 46ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp