第1章 「取り戻し」
私は、組織に入って………偽名を使って活動をしている。
恐らく、ガジルも偽名だと思う。
彼は、急に苦笑して………。
「……やっぱり……笑わないんだな……。笑えよ……。」
「…笑うわけがないじゃん………。」
今の私は、無表情だ。
この組織に入って………一度も笑った事がない。
だって………この組織は………。
ガジルは、私の頭に手をポンと置いた。
「………無理はするな………。」
そのまま、優しく私の頭を撫でていた。
「…私に触るな……。」
私は、ガジルの手をどかした。
私は、ガジルの横を通る。
「…朝食を誘いに来たんでしょ?」
ガジルは、また苦笑をして………。
「あぁ。そうだよ……。…食堂に行こうか……ミラド。」
私とガジルは、部屋を出た。