第1章 「取り戻し」
ダグが…………。
「あぁ…。生きたい………。だが………君は、殺すのだろう?」
ダグが、そう言ったのだ。
私は、ダグに聞こえる程の声で…………。
「…………私は……人を殺せない。………だから、あなたを逃がす。私が………『能力』を発動させる……。周りの視界を奪う………その間に、逃げて………。」
私の答えが、意外なのかダグは、驚きの表情をした。
ダグが、苦笑して…………。
「君は………本当は良い人だな。…………ありがとう。」
私は、頷いて………。
右手に持っている、『白』の剣が光った。
そして、その剣が中心になるように、白い霧が発生した。
その時……。