第1章 「取り戻し」
~ガジル~
………あ~あ。
また、人殺しか…………。
そういえば、エンプー町って言った瞬間………。
ミラドの奴………肩を僅かに揺らしたな………。
俺は、ミラドを見た。
目を閉じていた。
(………ミラド………。やっぱり、お前は、人殺しは似合わない。お前の殺す予定の奴は、俺が殺す………。だから………笑えよ。)
そんな風に、俺は思っていた。
その後、この会議が終わった。
ミラドの瞳が、開いて俺を見た。
いつも通りの無表情で…………。
「……ガジル。仕事だ。行こう………エンプー町に………。」
ミラドの声が、少し小さかった。
俺は、頷いて………会議室を出た。