第27章 個性的な三振り
主「はぁ~…やっぱりお風呂は良いなぁ~」
ガラッ。
不意に、脱衣場と風呂場の仕切りである戸が開く音がした。
………………え?
今、誰か入って来た?
え、ちょっとタンマ!!
?「もー、お風呂って言ってたんじゃないのー!?何で居ないのさ!?」
?「主は湯浴みか!なら、いっちょ驚かせてやるかっ」
?「み、皆さん!主様のご迷惑になるのではないでしょう…か?」
聞き慣れない声。
しかも三人…って、一体誰なんだろうか?
主「あ、あのー…私は居るんだけど、ちょっと…廊下に出て待っててくれないかな?」
?「えー!?人妻なら優しく、包丁も一緒に入る?って聞いてくれるもん!!」
主「うん、私は人妻じゃないぞぉ?」
?「ほ、ほら!お二人共、表に出てお待ちしていましょう!」
人妻って…変わった子だなぁ。
どうしたものか…と思考を巡らせていると、優しげな声の子が二人を引っ張って行ってくれたらしい
私は急いで湯船から上がり、身体を拭いて身支度を整えた。
脱衣場から表へ出ると、ちゃんと待っていてくれた三人に頭を下げた。
主「ごめんねっ、いきなり出て行って欲しいなんて」
?「い、いえ!僕達こそ、主様のご迷惑を考えず…本当に申し訳ありません。主様の置かれた札にて、顕現してしまった様で…」
可愛らしく大人しそうな、色素の薄さが印象的なふわふわな髪質の男の子。
札…?ああ、私が立ったりして風か何かで札が触れちゃったのか。
ん?私、札に神力送り込んだっけ?