第26章 アブノーマルなご褒美
そして…今に至る。
主「ねぇ亀甲…何もしないでいてくれるのは、とても有り難いんだけど…」
亀甲「…ハァ…な、何だい?」
主「何か危ない橋を渡ってるみたいで…私、自分の未来が怖い」
当然だ。
真っ裸に亀甲縛り(亀甲から縛り方の名称とやらを説明された)をし、四つん這いになった男の上に座って…仕事をしているのだ。
もう、既に危ない橋を渡りきっているのかも知れない。
両手で顔を覆い、羞恥と後悔に沈黙した。
亀甲「…ふ…ふふ、大丈夫さ。これはご褒美なんだろう?僕はとても嬉しいよ、ご主人様をより近く感じられて…」
主「あ…うん、それは良かった」
近く感じるって…感じ方がおかしい事に気付いて!?お願いだから、せめて服を着てくれ!
しかし、一度言ってしまったご褒美…覆すだなんて出来ない。
仕方ない、早く終わらせよう。その一心で、無心になって報告書を書いた。
そして報告書を政府へと送信し、私は崩れ落ちるかの様に亀甲から降りた。
亀甲「アッ…はぁ…も、もう終わりなのかい?」
さも残念そうに眉を下げる亀甲。
そんな格好で、捨て犬みたいな目をしないでくれぇぇ!
私は若干引き吊った笑みを浮かべた。
主「う…うん。き、亀甲のお陰で捗ったよ…」
まあ…確かに捗った。
今日も色々あった…これらを纏めるにはかなりの集中力を要しただろう。
あの亀甲の上に座っていたからこそ(早く終わらせたい一心で)、集中して仕事が出来たんだと思う。
亀甲「そうか、残念だよ…。じゃあ次はご主人様の上に乗せて貰える様に頑張ろうかな…なんてね。ふふ、ではご主人様、良い夢を」
そう言うと、私の頬に優しく口付けて審神者部屋から出て行ってしまった。
私の上に乗る…?
は?まさか、あの格好をさせて私の上に座る気なのか!?
いや…支えきれねーよ、マゾヒストに見せ掛けたサディストかよ!?
亀甲の本来の願いに気付ける訳も無く、私は布団を敷き突っ伏す様に眠りに落ちた。