第20章 旅人
自分でも分かる位、頬が弛む。
笑顔になるも、今私はどんな顔で笑っているんだろうか?
主「も、勿論!じゃあ、確か…」
私の言葉にクスッと笑い、次郎太刀と太郎太刀が目を合わせていた。
そうだ、確か政府が用意してくれていた物に酒もあった筈だ。
何処に仕舞ったっけ?
キョロキョロとしていると、燭台切が流しの下の戸を開けた。
燭台切「主が考えているのは、これかな?」
見れば数多くの酒が並んでいた。
次郎「あ~~~~~~~っ!!お酒じゃないかい!次郎さん感激だよぉぉぉっ!!!」
次郎太刀は私を抱き締め、頬に口付けて来た。
ああ…抱き締められたら分かる、ちゃんと男の子だー…。
主「ふふ。可愛いな、次郎ちゃん」
太郎「可愛い……ですか?」
うん。信じられない…みたいな顔をして自分の弟見るの止めようか、太郎。
何はともあれ、一気に賑やかになった。
一昨日、本丸に来たばかりの日は私と亀甲と加州の三人しか居なかったのに。
嬉しくて、思わず顔がにやけてしまう。
主「よぉぉぉおおし!!!燭台切、私も手伝う!」
燭台切「主と一緒に?それは嬉しいな…じゃあ、その鍋をかき混ぜておいてくれるかな?」
主「はーい!」
どうかこの楽しくて幸せな時間がいつまでも続きます様に…ただ、そう願う。