第11章 ブラックの実態
主「な、何だとおおおお!?」
蛍丸「しー。主、暴れないで。俺、主落としたくない。」
落としたくない?…え、ほたるん!?
ふと感じる背中に添えられた小さな手の感触、私は蛍丸に抱き上げられていたのだった。
しかも…両手を上に挙げた体勢で。
主「わ、わー!!!私重いから!無理無理無理無理ィィィ!!ほたるんが潰れちゃうぅぅぅ!!!」
明石「ぷっ…ほんま、おもろいお人ですなぁ」
愛染「蛍丸に限って落とす筈ねぇから安心しろよ」
蛍丸「大丈夫だよ。俺を信じて、主」
蛍丸の言葉に、ピタリと動くのを止めた。
家族の言葉だ、信じよう…怖いけど。
蛍丸「ん…主いいこ」
ああもう、何だよ…格好良いかよ!
両手で顔を覆い、私は悶絶していた。
それから国俊と国行が居た部屋に戻って来た所で、こんのすけから説教を受けていた。
こんのすけ「着任したてであんな重傷の刀剣を二振りを手入れしたんです、神力が減るのも当然ですな」
主「うー…だってぇ」
こんのすけ「だってもさってもありません!全く、本当に何をやらせても不器用な方ですな!」
主「ううう…ごめんってぇ…」
加州「はあ~ぁ、主優し過ぎ。主が一番愛してるのは俺でしょ?」
蛍丸「は…?俺に決まってるでしょ、加州は二番」
主「私は亀甲も加州もほたるんも国行も国俊も、みーんな大好きだよ!」
本当に良い子達だ…私には勿体無い位。
にしても…何だかクラクラする。
ああ、だめだ…そう思った瞬間、その場に倒れ込んで眠ってしまった。