第29章 〜奇々怪々〜
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安室がお化け屋敷の責任者から受けた依頼は、心霊現象の調査だった。なんと驚く事に一代前の責任者だった者が、幽霊を全く信じておらず誰かの悪戯が噂になったと思って病院をお化け屋敷に変えたのだ。実際、警察が調査を行う前は確かにスタッフが嘘で騙し続けていた。その病院の事件の不祥事は世間に出回っているので、その怨霊だと噂を流すとあっという間にホラースポットとして有名になったらしい
しかし警察の調査の折に、誰も仕掛けていないにも関わらず、本当に怪奇現象が起こるようになったのだ。今年は依頼者である女性が責任者となったそうだが、彼女は幽霊を信じるタイプでずっと罪悪感があり、この地位に就任したので改めてもう一度調査を依頼しようと踏み切ったのが依頼の経緯だった
安室は伊達家の刀剣達の話を参考にし、依頼人の女性に「神職をしている知人が言っていた」と最後の忠告も含めて告げてみた。勿論、元の依頼通り調査をしてみた結果、やはり物理的にありえない事ばかりだと判明してからだ
すると後日、件の病院がお化け屋敷になっていた場所は廃業が決定し、病院時代にその場で亡くなった人間達への供養が行われた