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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第5章 〜怪盗キッド対策会議





中森警部以下、捜査ニ課刑事や警視総監が麻衣と挨拶を交わしていく。よろしくお願いします、此方こそお願いします。全員が彼女の片手を掬い上げ、会話の後に頭を下げていた。これは目上の者への社交的な敬意で、榊家が持つ人望を見せつけるものである。ならば彼女の身元は純粋な白、国家のパイプが根強く張られる由緒正しい御家の娘だ。探る必要も無く証明された。

そして肝心な麻衣は微笑を浮かべたまま、毅然とした態度で振舞っている。偉そうでもなく、見下すでもない、立場を弁えた礼節の姿勢。見聞きした安室は、成る程と納得した。

これで彼女の出自を考えると、一般の護衛では心許ない。ポアロでの殺気は異常さこそあったが、悪人特有の気配はなかった。まるで着物を彩る桜花の如く、清楚で凛々しい気品があった。きっと周囲に沢山心から愛され、良識的な育ち方をしたに違いない。現に安室も、胸中で密かに好ましいとさえ思っていた

───国花に選ばれる桜の花弁は、警察の正義の象徴なのだ。それを日本伝統の着物で纏い、魅せれる麻衣は果たして悪か。

複雑な表情でいるコナンの隣で、安室が吟味する視線を向ける。その観察する目は麻衣を捉えたまま、彼女の後ろにいる廣光にも移った。彼は安室と同じ褐色肌だが、髪が黒いし袖を捲ると龍の刺青が掘られていて。鋭い目つきは人を寄せつけず、堅気に見えないのが本音である


「……えー、では、麻衣嬢どうぞこちらへ。会議の前に依頼で来られた探偵達を紹介します」

「探偵……?」


先導する警視総監の言った言葉に、麻衣はパチパチ目を瞬かせた。表情が少し幼げになり、不思議そうに聞き返していた。小五郎はそれを見て身なりを整えると、コナンと安室に振り返る


「コナン、お前はそろそろ出て行け。会議がもうすぐ始まるからな。安室くんは俺と一緒に彼女へ挨拶しに行こう」

「え〜!僕も一緒にお話ししたい!」

「駄目だ!いいから子供はさっさと出ていろ!」


いつもの駄々を捏ね始めたコナンに、小五郎が容赦なく一喝する。それでも、納得いかない少年は「……だって、」と、気まずそうに口を開いて


「おじさん、実はあの人なんだよ……。蘭姉ちゃんが前に言ってた、ポアロで僕が迷惑かけた人…」


これを聞くと、小五郎は思わず「はぁ?!」驚愕した大声を上げる
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